国内ラリーの基本ルール

ここからは国内ラリーのルール、 特にナビゲーターの作業内容について説明します。

まず、ラリーは二人一組で競技を行ないます。
ドライバーナビゲーターです。
ドライバーは車を運転し、 ナビゲーターはドライバーに進行方向やその他の指示を与えます。
ナビゲーターを コドライバー とも呼びます。

そして、国内でも海外でもラリー競技では公道を走行します。
したがって、競技車は 正規にナンバーを交付された車両 (日本なら車検に通ることが大前提) でなければなりません。
その上で競技の車両規則 (JAF 公認競技会なら JAF の車両規則) に合致させなければなりません。
また、競技会毎に発行される特別規則書の内容にも合致させる必要があります。

これ以外では、交通事情やその他諸々の問題から、 海外と日本国内とではルールが異なります (2002 年 11 月現在では、全体的な方向として、 海外のルールに合わせようという流れが主流を占めつつあります)。

国内ラリーでは、競技者 (車) は 主催者が指示したコースを、 主催者が指示した時間通りにいかに正確に走れるか を競います。
「指示した時間通りに」とは言い換えると 「指示した平均速度で」 ということになります。

スタート前に競技者は主催者から 「指示書」 と 「コマ図」 を渡されます。
そして競技者はコマ図で示されたルートを、 指示書に従って走ります。

ルートの途中には チェックポイント (CP) が数ヶ所設置されています。
CP は通過確認地点で、競技者が指示ルートを走っているかを確認します。
そして CP 毎に指示平均速度で走っているかもチェックします。
この指示平均速度 (指示時間) と実際の走行速度 (走行時間) の誤差に対して 減点を与えます。
国内ラリーでは、通常 CP はシークレットです。
つまりルート上のいつ、どこに現われるかわかりません。
競技者は常に指示平均速度を維持しなければなりません。
これを 「リライアビリティ・ラン」 といい、 このリライアビリティ・ランが必要な区間を 「ラリー区間」と呼んでいます。

しかし、ラリーは正確さを競うだけではありません。
ルート上に スペシャルステージ (SS) と呼ばれる区間が設けられる場合があります。
サーキットや林道、私有地などの区間で一般の交通を遮断して、 速さを競います。
上級レベルのラリーになるほど、この SS 区間の比率が大きくなります。

このようにして、国内ラリーでは 「正確さ」 と 「速さ」 を競います。
スタートからの流れのイメージは以下のようになります。

国内ラリーの流れ

また、ラリーでは次のようにして減点を計算します。
まず連続する XCP, YCP, ZCP を次のように仮定します。

連続する CP

XCP と YCP の間は 10.000km で、 この区間を 16 分 40 秒 (36km/h) で走るように主催者が設定したとします。
また、YCP と ZCP の間は 7.000km で、 この区間を 14 分 00 秒 (30km/h) で走るものとします。

XCP 〜 YCP 間を競技車が 16 分 40 秒で走れば減点は 0 となります。
ここを 16 分 42 秒で走ったとすると減点は 2 点 (誤差 1 秒につき減点 1 点) となります。
また同様に、YCP 〜 ZCP 間を競技車が 14 分 00 秒で走れば減点は 0 となります。
ここを 13 分 58 秒で走ったとすれば減点は 2 点となります。

さて、XCP 〜 YCP 間を 16 分 42 秒で走ったのであれば、 YCP 〜 ZCP 間を 13 分 58 秒で走ればどうでしょう。
確かにトータルで考えれば減点 0 となりそうですが、 実はこの場合は減点は 4 点となります。
つまり 各 CP 間の減点は独立している ということです。
XCP 〜 YCP 間を何分で走ろうと、 YCP 〜 ZCP 間は 14 分 00 秒で走らなければなりません。

成績は各 CP 間の減点を合計して総減点を出し、 この総減点の少ないチームが上位となります。

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